巻きコアとは

巻きコアとは、磁束を通しやすい帯状の材料を巻き取り作るコアです。
コアは以下のような目的の機器の中に組み込まれています。

  • 電圧や電流を変える(変圧器(トランス)、変流器(CT))
  • それに含まれるノイズを除去する(ノイズフィルタ、鉄心リアクトル)
  • 電流を測る(電流センサー)

コアは通常、コイルや半導体素子と組み合わせて使われます。

コアのメリット

コアがあることで機器を小型化することができます。変圧器(トランス)の場合、コアに巻き付けたコイルから発生した磁界はコアによってさらに強められ、また空気よりもはるかに透磁率の高い磁性材料でできたコアが磁束を吸い寄せ閉じ込めることで、効率的に磁気エネルギーの橋渡しが行えます。

コアとコアロス(鉄損)

交流で励磁した際に生じるコアによる損失をコアロス(鉄損)といい、銅線による損失である銅損と合わせて電気機器の効率を低下させる要因となります。コアロスは原子磁石の方向が反転する際のヒステリシス損失と、磁性材料内部で電磁誘導により発生する渦電流(ジュール熱)による渦電流損失から成ります。

コアを交流で励磁した場合の磁界の強さ(H)と磁束密度(B)の関係は磁化曲線(BH、ヒステリシスループ)で表され、交流の1サイクルの磁化過程で消費されるエネルギーを示しています。ヒステリシス損失は磁化曲線で囲まれた面積に比例し、この面積が小さいほど損失は小さくなります。

また、周波数が高くなると渦電流損失が増大し、ヒステリシス損失を超えて支配的になるため、高周波コアでは板厚が薄く渦電流の発生しにくいナノ結晶、アモルファス、高珪素などの高周波材料を使用します。

磁化曲線

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